幻視者 


 始源の時から世界に存在するみっつの力『ハルモニア(秩序)』『ソーマ(自然)』『アゴー(破壊)』の力に目覚めた人々をこう呼ぶ。トリニティ――それぞれ“誕生”“維持”“破壊”を司るこれらの力はモナディックと呼ばれ、世界の本質をなすものでもある。
 だが、トリニティは同時に対立するものでもある。これらの力に目覚めた者は、その瞬間からほかのふたつのトリニティと戦う宿命を背負うことになる。しかも、その戦いは目覚めなかった人々――幻視者ならざる人々の眼に触れてはいけないのである。なぜなら、それら超常の力は世界の天秤を狂わせ、大きな反動をもたらすからだ。
 その反動は、時に幻視者自身を襲うこともある。

 現在はハルモニアの時代である。だが、行き過ぎたひとつのトリニティの突出は、すぐに反発を呼んだ。抑圧されたソーマの各族が一族連合を組み、ハルモニアへの対抗姿勢を固めたのである。そしてアゴーもまた、ハルモニアが生み出した現代社会の闇……肥大する欲望を糧に次第に力を強めつつあった。

 近い将来、世界の終末が訪れるという。それを裏付けるかのように、異常現象、猟奇事件、超常現象が相次いで起こり始めた。そして、日本ではこれまでにない数の新たな幻視者が生まれつつある。彼らは皆一様に“言葉なき歌”を聞き、トリニティの力に目覚めたという。

 彼ら新たな幻視者たちはこう呼ばれる―――ホワイト・ウィスパーと。










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HARMONIA

理――科学技術を司る者たち。常識を
遙かに越えたテクノロジーと
企業を基盤とする強固な団結を駆使し、
冷徹な合理性をもって他者を駆逐する。

柏木グループ
自然調和都市開発事業団
秩父紡績会社
BABEL情報サービス
特別公安監査局
SOMA

樹――自然を司る者たち。鬼や獣に変化し、
荒ぶる天や大地の力をふるう。
強大な力と数多くの部族を持つかれらは、
またそれゆえにもろい者たちでもある。

惡仁 
宿儺 
犬狼 
蛇龍 
天鴉 
夜蜘 
陰陽 
夢視 
木魅 























AGO

虚――すべてを憎み、すべてを破壊し、
すべてを喰らう者たち。
その力はハルモニアやソーマが築きあげた
ものを無に戻す。

破壊を撒く者
心喰らう者
虚抱く者